技術の進展目覚ましく、テクノロジーが多くの社会課題を解決に導く時代です。
我が国においてはこのところ自然災害が激甚化しつつありますが、そんな中、富士通が「災害対策×テクノロジー」の研究を行っていると聞き、お話を伺ってきました。
①津波対策について
今回津波対策についてお聞きしたのは、
・開発中の津波浸水シミュレーションモデルを用いると、浸水ハザードマップをリアルタイムに作成することができる。
・避難行動シミュレーションモデルの試算によると、某臨海地域では住民が一斉に避難することで道路が混雑し、避難所に辿り着く前に津波に巻き込まれることになる。
というお話でした。
この浸水モデルと避難行動モデルを組み合わせれば、どの規模の津波が来たときにどの地域でどれくらいの人数が巻き込まれるか、ということが一目瞭然になるので、地域ごとに講ずべき対策が明らかになるのではないかと感じました。
②豪雨対策について
豪雨対策については、
・都市部においては下水道の処理能力を超える豪雨によって街が浸水するケースがあり、実際、地下浸水による死亡事故も発生している。
・氾濫前に危険を予知したくても、現状では下水道内はブラックボックス化しており、排水状況の把握は困難である。
・一方、マンホールに水位センサーを設置すれば、氾濫の危険度を事前に把握して早めに警報等を発することもできるようになる。
・また、このセンサーを使って水位シミュレーションを行うことで、現時点における下水処理能力を把握し、必要に応じた対策を事前に講じることができるようになる。
というお話を伺いました。
ハード整備重視の災害対策から、テクノロジーを活用した合理的な災害対策への転換を図っていく。
これからのあるべき方向性を大いに考えさせられる意見交換になりました。
富士通の皆さん、ありがとうございました。